内定取り消し-悪質なら企業名公表を(中日新聞)
最終更新日:2022/02/13
その中で気になったものがあった
「内定取り消し 企業名」
「内定取り消し 会社名」
などだ。
試しに検索をしてみると、中日新聞のこの社説がHITした。
投稿日は2008/11/27
引用
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2008112702000078.html
来春卒業予定の大学生や高校生の採用内定を取り消す企業が相次いでいる。
人生の門出を傷つけるだけでなく、正当な理由なしには許されない行為だ。
悪質な場合は企業名を公表すべきである。
今年前半まで売り手市場だった学生たちは
最近の就職情勢の急変に困惑していることだろう。
金融危機をきっかけに企業の2009年度以降の採用計画は一変した。
なかには内定を取り消すところも出てきた。
厚生労働省が各地のハローワーク(公共職業安定所)を通じて調べたところ、
すでに内定取り消しの報告が4社63人もあった。
全国調査を踏まえて学生への相談体制と、企業に対する指導を強化する方針だ。
また連合も学生たちの相談窓口を来月、開設する。
取り消しの理由は倒産や業績不振などさまざまという。
社員の雇用も維持できない倒産の場合はやむを得ないケースとなろうが、景気後退に伴う業績悪化というだけでは正当な理由とは言えまい。
法的には内定取り消しは労働基準法に基づく労働契約の解約、つまり一種の解雇と見なされる。
合理的な理由がなければ解約権の乱用とされ無効である。
1979年7月、大日本印刷事件で最高裁が示した判例が有名だ。
同社は内定後に誓約書を提出した学生に対して「陰気」な印象を理由に内定を取り消した。 最高裁は本人の印象は面接試験でわかっていたとし、取り消しをする合理的理由にはならないと指摘した。
採用の内定は、労働契約が成立したことと同じ重みがある。
来春卒業予定の大学生は約66万4千人。
高校生は110万人に達する。
就職は人生の重要な節目であり、採用内定はその第一歩と言える。
フリーター181万人や再出発を目指す転職者にとっても内定通知はうれしいものだ。
今春卒業の就職率は大学生が96.9%、
高校生が98.4%といずれも最高水準だった。
来春以降は“氷河期”再来となろうが困難にくじけず頑張ってもらいたい。
現在、雇用情勢は急速に悪化している。
自動車や電機業界などで期間工や派遣社員、パート労働者の解雇が続いている。
失業率の上昇と有効求人倍率の低下は避けられない。
政府は追加経済対策で年長フリーター対策や雇用保険料引き下げなどを取り上げたが本年度第二次補正予算案の提出は来年一月だ。
政治空白を解消して一日も早く雇用対策に取り組んでもらいたい。
内定取り消しの判例で有名な
大日本印刷事件(最高裁昭和54年7月20日第二小法廷判決)は「グルーミーな印象」という表記をしていましたが、直訳すると陰気とか憂鬱とかそんな感じですね。
まあ、この判例と経営不振による内定取り消しは別物なので引き合いに出すのはどうかと思いますが、個人的には、企業名の公表には賛成です。
公表した結果、袋叩きにあうのは分かりますので経営者や人事としてはもみ消したい内容でしょう。
事実、新卒の内定取り消しをした企業は4社63人だけではないはずでこれは氷山の一角でしかありません。
中途採用においては、合格後にすぐに入社するため経営不振による内定取り消しということは起こりづらいのですが、新卒の場合は採用活動の早期化によりおこりやすい。
企業名の公表もよいかもしれませんが、そもそも新卒採用のあり方に問題があるのではないでしょうか?
大学に入学して2年半後には就職活動をしています。
それも毎年10月ころにリク●ビがオープンすることが一番の理由であり、企業はそこを照準に新卒採用活動を開始する。
他社に負けるわけにはいかないために同じく多くの企業が3年生の10月の学生をターゲットにして採用活動を開始する。
そうなると当然、学生もその時期に就職活動をしないといけないわけです。
なぜ企業側は経営不振で内定の取消しをするのか?
なぜ経営の予想が立てられなかったのか?
なぜそれほど早くに内定が決まるのか?
なぜ就職活動は3年生の内からスタートするのか?
など落とし込んで考えていくと、企業名の公表だけでよいのか??
という疑問はあります
学生への就職活動で企業を見分ける教育も必要ですし、そもそも今の日本の新卒採用自体がいいのか?と思ってしまう。
追伸:
あなたの会社も戦略的採用活動を考えたいのであれば、こちらをご覧ください