【採用ノウハウ】即戦力採用・管理職採用が失敗する理由~採用の視点
最終更新日:2023/03/23
人事採用コンサルタントの稲田です。
今日は採用で成功するための視点に関して、お話ししたいと思います。
ほとんどの中小企業は、この採用の視点を考えていないので、採用に失敗します。
間違った人材を採用して、その方が辞めてしまうとか、思ったように活躍しないといったことが起こります。
採用の視点とは、ゴール設定
「採用の視点」とは、一言で言うと「ゴール設定」です。「ゴール」最終目的地をどこに置くかです。
以前「【採用ノウハウ】採用活動の本当の目的を意識する」でもお話ししましたが、採用の目的は、そもそも会社がさらに利益を出すことなんです。
もし、目先の仕事だけを回したいんだったら、例えば人材派遣などをスポット契約で活用すればいいんです。
採用の視点としては、目の前の仕事ではなく、もう少し先を見ていく必要があります。
採用には中期的・長期的な視点が必要
採用というものは、1ヶ月後とか2ヶ月後の状況を考えておこなってはいけません。採用は、中期的・長期的な視点を持つ必要があります。
もし、目の前の仕事とかだけを考えて採用活動をした場合は、「その仕事ができるかどうか?」という視点だけで人を採用します。
欠員補充の場合はわかりやすいのですが、欠員が出たことによって、人手が足りなく、仕事が回っていない状況です。
そうなってくると、「この仕事ができるかどうか?」という視点を持ちやすいです。
これだと、採用は失敗します。
そういう視点ではありません。
採用というものは、半年後とか1年後、もっと言えば3年後、5年後という視点で見た方がいいです。
この視点を変えるというだけで、色々なメリットが生まれてきます。
ところが、ほとんどの会社は短期的な視点で物事を見ているんです。
採用後は必ず教育が必要
そもそも、少し考えればわかるんですが、新規で採用してすぐに仕事ができる人はいません。当然、新卒採用は、教育が必要だとわかると思いますが、中途採用であっても、必ず、教育の時間が必要になってきます。
「いや、ウチは即戦力が欲しいんだ」と思うかもしれませんし、そういう気持ちもわかりますが、実際、即戦力だったら、そういう人が本当に中途採用の市場にいるんでしょうか?
しかも、運良くあなたの会社を希望しますか?本当に即戦力になる人が。
このことに関しては、書籍「採用の教科書2」で1冊使って、詳しく説明しています。
こういった即戦力を採用しようとか、特に教育もせずに、入った瞬間から仕事をバリバリしてくれる人を採用しようという発想自体が、採用に失敗するポイントです。
こういう考えを持ってはいけません。
そもそも、仕事をもし上手にこなすんだったら、仕事の作業を覚えるだけではないことは、わかると思います。
社内とか取引先との人間関係も重要です。
このような人間関係を構築する時間も必要ですし、当然ながら仕事を覚える時間も必要になってきます。
例えば、以前の会社でものすごく活躍していたとしても、それは以前の会社のチームがあったから活躍できたのです。
以前の会社の社風があったから活躍できたんです。
以前の会社の技術力や資本力があったから活躍できたんです。
果たして、本当にそれがあなたの会社でも同じように適用できるか?
このことを考えてみてください。
こういった本当の採用の裏のことを考えずに、職務経歴書に書いていることや、履歴書に書いていることだけを信じて、それで採用するから失敗してしまいます。
前の会社と今の会社は違うんです。
中途採用だったら、応募者の以前の会社とあなたの会社は、社風も技術も資本力もチームも全然違います。
仕事というものは、そもそも相手の性格、お客さんの性格もそうですし、社内のスタッフの性格、そういった性格とか感情を無視した仕事のやり方をしても、当然ながらうまくいくことはありません。
ですから中途採用であっても、必ず採用後に教育というのは必要になってきます。
「うちの会社はどういうものか」というのを口で言うだけではなく、完全に頭で理解したり、腹で理解してもらう必要があります。
体で体感してもらう必要もあります。
そう考えたらわかるんですけど、採用して、立ち上がるまでにそれ相応の時間が必要になるとわかると思います。
ですから、中途採用であっても、大体入社して半年か1年ほど。仕事ができる人で、しかもそういった人間関係を構築できる人であっても、このくらいの時間はかかると思ってください。
これがもし、新卒採用の場合、ビジネスマナーから学ぶ必要がありますから、当然ながら仕事ができるようになるまで、さらに時間はかかります。
それなのに、採用を短期的視点で、目先のことだけ考えて、1ヶ月後とか、入社して2週間くらいで回るようになってほしいとか、そういう視点で採用活動しているから、現実に存在する応募者や採用者とのギャップが出てきます。
ほとんどの場合入社してすぐに結果を求めている会社というものは、だいたい離職率が高いです。
他にも、管理職を採用しようとして、入社してすぐに、課長とか部長の役職につけたりすることも、ほとんどの場合、失敗します。
理由は即戦力採用と同じく、チーム、人間関係、技術、資本力、感情です。
こういった採用に関して、短期的視点ではなく、必ず中・長期的な視点を持ってください。
理想の布陣
この中・長期的な視点さえ持ってしまえば、最終的に「どういった形」「どういったスタッフ数」「この職種(A)は何人」「この職種(B)は何人」「この職種(C)は何人」だと最高のパフォーマンスを出せるか?ということも想像できます。最終的な布陣ですね。「理想の布陣」。
もしこれを考えずに、求人をしてしまうと、大体人が足りなくなるとか言った時に、はじめて求人活動を始めます。
忙しくなってきたから人をさらに募集しようとか。
もうすでに忙しくなっている時点で、もう遅いです。見通しが甘いです。
忙しくなる前に行動しなくてはいけません。
採用は時間がかかる
そもそも求人や採用というのは、本来時間がかかります。きちんと選考ノウハウを学んで、正しい面接とか適性試験とか、そういった正しい選考をおこなえば、合格率はそんなに高くはなりません。
ですから、すぐに採用できたという場合は、正しい選考をしていないので、大体選考に失敗するんです。
採用は時間がかかるということがわかっていれば、本当に1ヶ月とか2ヶ月とか短期的な視点で見るのではないということが、理解できると思います。
今のこの目まぐるしく変わる時代の中、10年先を見てくださいとなると、さすがに厳しいですが、せめて1年とか3年とかを見て、採用活動を是非もう一度見直してください。
今の求人人数で足りるのか?とか、この職種に関しては足りるのか?とかそういった視点で、是非再度見直してみてください。
この中期的・長期的な視点を持つことが、採用成功の大事なポイントです。
この内容は、私が運営しているYouTubeチャンネルでもお話ししています。