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日雇い派遣禁止による自社採用力強化の必要性

公開日:2008/10/07
最終更新日:2022/02/14
日雇い派遣の禁止に関しては賛否両論あるだろうが、私は一部分では賛成しているし一部分では反対している。

派遣は一言で言うと、ピンハネ業。
ビジネスモデルとしては非常に素晴らしい仕組みだが、あまりにも合理的すぎる仕組みで人の感情が考えられていない。


派遣先企業としては、短期間の契約では人を採用できないし採用するスキルがないから、普通のパートの1.5倍~2倍近くの時給を支払って、派遣してもらう。


派遣元企業は、自社設備などを持つ必要もなく人を送りさえすれば、派遣先企業からもらった報酬の60~80%程度を支払い、そこから労働法や社会保険に関する法律を守る労務管理費用を差し引けば取り分となる。


ビジネス的には非常においしい。

だから、人事や採用、教育、経営の事を何も知らないパット出の業者が参入してきては、ろくな労務管理もせずに悪条件で派遣をする。


夢を実現とか、発見力とか言っているCMを見ると、現場の実態を知らないのか??と思ってしまう。


人材採用コンサルタントとして、本当に有能な社員を採用するまでのツナギとして短期的な派遣をクライアントに勧めたりはするが、派遣社員に頼り続けるのは自社のアルバイト(パート)採用力が無いだけ。

派遣会社に支払う時給 > アルバイトに支払う時給

これが逆転することはありえない。


つまり、長期間働いてほしいのならアルバイト採用をした方がいいのです。


ところが、アルバイトを採用できないからと派遣に頼ってしまう。


論理的に考えると、アルバイトを採用できないのは結果であり、原因ではない。

ある原因 → アルバイト採用失敗 → 派遣を雇う

という図式が正しいのに、このある原因に目を向けないためにいつまでも経営が安定しないのだ。


「自社の採用力を本気で上げなければいけない」という課題から目をそらしてきた報いでもある


日雇い派遣禁止による影響

今後、更に厳しくなってくるのが、今まで日雇い派遣に頼っていた会社だ。


要は自社採用をする必要が急に出てきたというわけ。


これは企業にとっても対岸の火事ではない


このような事は今後急に起こりえる。
何かに依存をするビジネスモデルはもろいのです。



派遣社員の方々も派遣先経営者にとっての派遣社員とは
どのようなものかを真剣に考えてほしい


経営が不安定になったとか売上が落ちたとか
何かあった時、真っ先に切るのが派遣社員だ。


これが現実だし、そのための派遣制度。


社員を解雇する為には労働基準法と就業規則に沿って
解雇する必要があるが派遣社員にはそれがない。


だから、派遣元に高いお金を払っている。


給与面でもそう。

時給1300円で、月200時間労働で26万円。

1か月なら確かにまあまあだが、年収は312万円にしかならない。

しかも、時給はなかなか上げられない。
派遣社員の受取額を50円アップさせたいのであれば、
派遣元には100円以上アップさせる必要があるからだ。

時給100円あげると月2万円の昇給だ。
正社員でも2万円昇給されることはなかなか無い。


今ほど転職しやすい時期はないと思う。

何かの理由があり派遣社員をしたいのなら別だが、
将来を考えた際に正社員として働きたいのであれば
本気で転職活動をした方がいい。


転職活動は、インターネットを使えば無料でできる。
(私は紙媒体ではなくインターネットをお勧めする)


小泉内閣


小泉内閣はあらゆる爪痕を残して去って行った。
2004年に製造業への派遣を解禁したことが大きな間違いである。

派遣を雇い入れるということは、
機械化が進んでいる製造業の可能性が高い


機械化が進んでいる以上、社員と派遣社員で仕事内容に差がつきづらいのだ。


しかし、給与や待遇に差があるというわけだ


格差社会をどうこう言って、日雇い派遣が悪いと決め付けるのはあまりにも短絡的。



日雇い派遣自体は、
企業経営から見ると非常にありがたい仕組みだと思う。


必要な時だけ必要な人員を確保する。
(トヨタ式生産法のカンバン方式の人間版か?)


しかし、派遣される方にとってはたまったものでもないのは事実。


たまに派遣社員と正社員の格差を訴えるために、
テレビなどで派遣社員が給与を上げるべきだと訴えているが、

「あなたが選んだ道でしょう???」

としか私は思わない。
こんなに転職しやすい時期はないのに、労働条件を上げるのではなく
正社員として採用してくれる会社を探す方が何倍も楽なことに気付いてほしい。


会社に対して、クーデターのような感じで
本気で、労働条件を上げろ!!と言うと、
派遣先会社は理由をつけて派遣を終了する。


法的には問題がない。


ああいったテレビで訴える人を見ると
人を変えようと思わずに自分が変わる選択肢を見つけてほしいと思う。


厳しい事を書きすぎたような気がするが
とにかく格差を無くしたいのであれば日雇い派遣が問題ではなく、
製造業など仕事内容に差がつきづらい特定業種に対する派遣が問題ではないか。



同一労働同一賃金


これさえ守っていれば、「差」などと言った言葉はなくなるのに



どちらにしても、パートが採れないから派遣という考えを持った企業の、
コトの元凶は自社採用力の低下という事実にまずは目を向けるべきです。



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