労働分配率の計算方法|業種別の平均データ

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労働分配率が分かるページ


先日の人件費率の計算方法|業種別の平均データの第二章です。


自社の労働分配率は知っていますか?


業種(飲食店、ホテル、病院、サービス業など)により労働分配率の目安は大きく変わりますが、自社の労働分配率を知っておくことは大事なことです。


もし自社の労働分配比率を知らない場合は、顧問税理士や顧問公認会計士に計算してもらいましょう。


ただし、同業種の適正な相場より比率が高いからと言って人件費を下げることはお勧めしません。


税理士やコンサルタント、会計担当に言われるがまま人件費を下げた結果、社員のモチベーションが下がったり人材が流出した企業を何社も知っています。


そもそも「削減」にしか目がいかないようでは経営者失格です。


労働分配率が適正より高いのは、人件費が高いのか、利益を出す仕組みが悪いのかのどちらかです。人件費が高い場合は、他社よりいい待遇を社員に与えているわけですから誇りましょう。


しかし、利益を出す仕組みが悪いのであればそこを改善することが大切です。正しい広告のうちかたを学び、黒字になるまでテストを繰り返しPDCAサイクルを回すだけです。


話を労働分配率に戻します。


労働分配率の計算方法



労働分配率の計算式はこちらです。


労働分配率=人件費÷付加価値


参考までに人件費率の計算方法はこちらでした
人件費率=人件費÷売上


人件費には、・賃金・賞与・雑給・法定福利費・厚生費・退職金、販売管理費中の従業員給与・事務員給与・役員報酬・従業員賞与・厚生費等が含まれます。


説明

労働分配率とは、付加価値に対しての人件費の割合を示す指標であり、会社が新たに生み出した価値のうちどれだけ人件費に分配されたかを示す指標のことです。

労働分配率は、
 
・総資本経常利益率
 ・自己資本比率
 ・流動比率
 ・総資本回転率
と並んで、企業経営における財務分析の5大指標といわれています。つまり、本当は人件費率よりも重要なわけです。


そして労働分配率は、生産性の分析や人件費の適正水準を把握・維持するために用いられます


「付加価値とは」
たぶん、労働分配率の計算時に一番分かりづらいのがこの付加価値という定義だと思います。


正式な計算方法とは違いますが、単純に
『売り上げ額×利益率=売上総利益≒付加価値』
と計算するだけでも私は構わないと考えています。


大事なことは、今まで計算したことが無かったのであればおおよその数値と相場と昨年との違いを知ることですからね。


一応、参考までに付加価値の正しい算出方法を記載しておきます。


日銀方式と中小企業庁方式という二つの計算方法があります。
(もうこの辺から面倒くさいでしょ?だから税理士や会計士の先生に丸投げした方がいいんです。顧問料を払っている以上、良心的な先生であれば、そのくらいはしてくれます)

中小企業庁方式(控除法)


付加価値= 売上高 - 外部購入価値

製造業の場合
 付加価値(加工高)=売上高-(材料費+買入部品費+外注工賃)

建設業の場合
 付加価値(加工高)=完成工事高-(材料・部品費+外注費)

卸売業・小売業の場合
 売上総利益=売上高-売上原価


日銀方式(加算法)


付加価値=経常利益+人件費+貸借料+金融費用+減価償却費+租税公課

 
上記計算方法がありますが、利益(売上高×利益率)で見るだけで十分ではないかと。毎年のデータを取ることの方が大事なことですからね。


労働分配率が人件費率より大事な理由は一つ。
 売上高ではなく、利益でみるからです。

 
要は、売上をいくら出しても利益が無いなら経営状況は悪化します。不動産業界や大手家電量販店などがいい例です。


売上高1兆円、、、だから何?利益は?というところです。


計算式からも人件費と粗利益との上昇傾向が同じペースであれば毎年の労働分配率は変わりません。しかし、人件費の上昇傾向に粗利益の上昇ペースが追いついかなければ労働分配率は低下することになり、結果として経営環境は悪化するわけです。


つまり、経営者として粗利益の増加ペースを上げるために営業効率の改善や業務効率の改善をしなければいけません。ですから社内のノウハウを集めて営業手法のマニュアル化なども大事なことです。


ちなみに、人件費率が低くても労働分配率が高すぎる場合は経営的には危ない状況と言えます

計算例


例1)売上 500万円 利益率60% 人件費100万円なら、
  人件費率は20%ですが労働分配率は33%です。


例2)売上1000万円 利益率20% 人件費100万円なら、
  人件費率は10%ですが労働分配率は50%です。


例1と例2は人件費が同じで、例2の方が売上げが2倍です。
パッと見は例2の方がもうかっていそうですが・・・・
例2は利益率が低いため、経営的に安定しているのは例1の方ということになります。

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参考:各業種別の労働分配率の平均データ

飲食サービス業の平均データ

 参考:TKC

業種 人件費率 労働分配率
ラーメン店 35.2% 52.2%
料亭 37.3% 55.7%
中華料理店 39.7% 57.8%
居酒屋 36.2% 52.5%
食堂、レストラン 33.3% 55.6%
そば・うどん 38.5% 59.1%
寿司屋 32.8% 56.9%
キャバクラなど 56.4% 62.8%


飲食店は50%を超えていますね。
その中でもキャバクラはサービス業色が強いので高いです



旅館、ホテルの平均データ

業種 人件費率 労働分配比率
旅館、ホテル 30.6% 39.8%


建物や施設の管理運営費や食事+宿泊をかねているため飲食業よりは労働分配率が低いです。あたりまえですよね。人件費以外に大量のお金がかかるわけですから


サービス業の平均データ


業種 人権比率 労働分配率
美容業(エステ) 49.8% 57.1%
美容室、理容室 54.3% 59.4%
パチンコホール 4.8% 28.1%
広告制作業 25.6% 54.7%
広告業 20.4% 55.9%
受注開発ソフトウェア業 45.6% 69.8%
情報処理サービス 55.1% 69.6%
経営コンサルタント 54.1% 63.4%
建築設計 42.8% 66.4%
訪問介護、ヘルパー 65.5% 71.6%
ビルメンテナンス 57.5% 76.4%
人材派遣業 62.4% 82.5%
病院(入院施設無し) 51.9% 65.0%
病院(入院施設有り) 49.6% 63.7%
歯科医 54.4% 64.7%
獣医 45.8% 58.2%
鍼灸師、按摩マッサージ師 54.4% 63.5%
クリーニング 44.9% 51.9%



本当にバラバラですね。

人件費率のみを見たのであれば、飲食店とサービス業には大きな差があり、サービス業の人件費率は非常に高いのです。

しかし、付加価値という労働分配率で見た場合、労働分配率は変わりません。理由は、サービス業の方が利益率が高いから、飲食店の労働分配率においつくわけですね。




小売業の平均データ


業種 人件費率 労働分配率
コンビニエンスストア 11.1% 40.2%
調剤薬局 21.2% 64.4%
ガソリンスタンド 7.7% 52.3%
家電小売り業 13.9% 56.2%
魚屋 19.1% 51.7%
肉屋 19.5% 53.5%
酒屋 9.0% 47.0%
化粧品小売 26.2% 48.8%
アパレル 20.3% 44.3%
花屋 29.4% 57.5%
時計、メガネ屋 27.5% 49.6%


小売業ということで当然、仕入れが発生します。つまり、在庫を抱えるタイプの業界です。結果として利益率が低くなります。だから、労働分配率ベースでみた場合は、ほかの業種とそれほど変わらなくなるんです



労働分配率のまとめ



自社の労働分配率を知ることは大事です。また他業種の人件費率や労働分配率を知ることも見解を広めるでしょう。しかし、これはただの数値(指標)でしかありません。


労働分配率が高いから人件費を下げるというのは、「社員の感情」を無視した人事労務管理です。


こういったデータはPDCAの「C」でしかありません。どういった改善「A」をするかが大事なのですが、人件費を下げることは果たして改善かどうかはお考えください


大事なことは利益率を上げることであり、業務効率の改善をして、ムダな営業電話をやめて、お客様が集まる仕組みを作ることではないでしょうか?(つまり、従業員一人当たりの利益を増やせば、労働分配率は下がる。集客の仕組み化で対応可能)


どちらにしましても、昨年に比べて労働分配率が上がった(下がった)などのデータは取っておく必要があります。そしてそのデータをエクセルに書いて、その年に採用した人数や退職した人数などのデータも一緒に管理してください。色々と見えてくると思います。


“分析”などと言えば、途端に拒否反応が出そうですが、こういった経営指標になるデータ提供は顧問税理士や顧問会計士など数字やお金を触る専門家にお願いすればいいだけです。(ただし、判断は経営者がしてください)



追伸:

労働分配率に大きな影響を与える人材採用に関しての知識が無料で学べます。



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