人材の自転車操業の計算方法
最終更新日:2022/02/24
社長の悩み
↓
「結果、人手が足りないので忙しい」
↓
「これ以上忙しくなると、正直もたない・・・・」
という状況です。
B to C の業種に該当する売上アップ手法のお話も簡単にしましたが、
「どちらにしてもこの状態でお客が増えると更に悪循環になりますので、まずは人を採用することを優先的にしましょう。」
との結論に達しました。
(売上を上げる時期ではないというのは、聞く人にとっては贅沢な悩みかもしれませんね)
最終的には、採用コンサル契約をいただく事ができましたが、これってタイミングを間違えると多くの会社が陥る問題かもなと思いブログの記事にします。
「売上が上がってから人の採用を考える」
多くの企業がその順番で採用活動をされます。
決して間違ってはいませんが、【 育つ時間 】や【 教育にさける時間 】を先に見積もって置かないと、せっかく採用しても【 ただ頭数として仕事を回す人 】を補充するだけになってしまいます。
※最悪の場合は忙しすぎてすぐに辞めます
今日、お会いした社長はちゃんと教育の事も考えていて、余力を残した状態での採用へのシフトなので大丈夫ですが、
採用してもすぐに辞めるとか、採用してもしっかりと育てる時間がない
というリスクも負っているんです。
人が辞めたという理由で採用(=補充)ばかりをしている企業であれば、ノウハウが蓄積されずに人材の自転車操業が始まっています。
※この言葉は稲田行徳が作った言葉です
例えば、今日人が欲しいと思っても、ちゃんとした選考をするなら実際に職場にやってくるのは2、3か月先とかです。
その間に少ない人数で働いている残った社員には負荷がかかり、疲労もストレスも当然たまっていきます。
その少ない人数で頑張った社員に何の報いもせずに、評価をすると、次に辞めるのは、その時頑張った社員です。
実はある計算をすると、企業のノウハウ蓄積度(人材流出度)が分かります。(私が考えたのですが、係数も使いません)
やり方は簡単です。
これは年功序列の考えをベースにしていまして
今いる社員の勤続年数を単純に足すのです
例
平成18年のノウハウ蓄積度
Aさん・・・5年Bさん・・・4年
Cさん・・・3年
Dさん・・・1年
全部足すと、、、13年。
つまりその職場には【平成18年】に13年のノウハウがある。
翌年、Cさんが退職してEさんが入社したとします。
するとこうなるわけです
平成19年のノウハウ蓄積度
Aさん・・・6年Bさん・・・5年
Dさん・・・2年
Eさん・・・0年
全部足すと、、、13年
その職場には【平成19年】になったのに13年のノウハウ。
つまり、1年たっても何も増えていない。
そして、
Eさんはころころ変わり、
翌年、負荷が増えすぎて嫌になったBさんが退職。
そしてFさんが入社
その場合はこうなります。
平成20年のノウハウ蓄積度
Aさん・・・7年Dさん・・・3年
Eさん・・・1年
Fさん・・・0年
全部足すと、、、11年
その会社には【平成20年】に11年のノウハウ。
昨年より逆に2年下がっている
こうなってくると完全にその会社は終わりです。
もの凄い入れ替わりの早い会社(職場)になります
ちなみに、
こういう時は その職場の責任者である Aさん の能力や人間性に問題がある可能性はあります。
あなたが社長なら今すぐにでも計算できます。
勤続年数(月数)の合計値と平均値を出すといいですよ。
それを年ごとや月毎に線グラフにします。
※中途採用者でも同じで0年からスタート
右肩下がりの場合は要注意です。
人材の自転車操業確定です
あなたの会社は大丈夫ですか?
計算を依頼したい場合はご連絡ください。勤続年数が分かるデータをいただければ結果をご報告します。
当然、お金をいただきますので、それが嫌なら是非ご自身で計算してみてください。(エクセルで日付関数を使えば簡単に?計算できます。
データ分析が得意な人に依頼するのも手ですね。)
人材採用戦略などと難しい事は言いませんが、採用活動は手が回らなくなる前に先手を打ちましょう!!
人材の自転車操業の計算方法についてですが、大変納得できました。
ただ、後半に登場するAさんの表現について疑問がありましたので自信の事例を基に簡単ですが書き込ませていただきました。
私(工場長職)が現在、勤務する企業の他の工場でまさしく人材の自転車操業のサイクルが始まっております。
人材の自転車操業の計算方法でノウハウ蓄積度に出てくるAさんにあたる方(弊社のAさんは確かにミスは多いですが従業員から信頼さております)を管理する方(B氏)が世代交代により(C氏)に変わったころより始まりました。
他工場の私ではありますが、退職者本人より本音の退職理由を聞いております。
上記の理由を詳しくは言いませんが、Aさんが要因と思い込み、原因調査を始めると、それに関連する裏付け理由が目にとまりやすくなり(例;身の周りの黒色を探す)危険ではないでしょうか?
経営者から冤罪を受けたAさんの人生は?(妻子有りだと?)
気を悪くされたかと思います。申し訳ございません。が私がこのコメント送ったのは、関係者すべてが幸福感を持てるという稲田先生の理念を読ませて頂いたからです。
稲田先生は、まずないでしょうが、実際のコンサル契約先でのインタビューや、現場調査で勘違いがあった場合・・・非常に不幸な事となります。
失礼な書き込みばかりで申し訳ございません。
稲田先生のご活躍が、より多くの方を幸せに出来ますよう、願っております。
最後までお読み頂きありがとうございました。
柳澤
こちらこそ、ありがとうございます。
そうですね。2008年に書いた文章ですが、
読み返してみると以下は断定的に見えかねないですね。
>「こういう時は Aさん の能力や人間性に問題があったりします」
→ 可能性が高いという意味で書いていましたが、「あったりします」を「ある可能性が高い」とかの方が正しいですね。
この記事は相当小さな会社や部署レベルをイメージして書いていましたが、
柳澤さんの会社の事例のように
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1.Aさんの上司にBさんがいて、Cさんに変わった
2.Aさんは人間的に周囲から信頼されている事は明白
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という場合は、Aさんが原因とは決めつけられないですね。
状況をうかがう限りは、CさんがAさん以外の辞めたスタッフとも関係する立場であれば、Cさんの可能性もあります。これも経営者として慎重に調べないといけませんが。
※また、根本的な問題で、人ではなく制度的なところもあるかもしれません。●年以上働くと辞める人が多いとか。
ちなみに一つだけ確定しているのは、どんな事であっても、経営者に全責任があるということです。
「人材の自転車操業になっているかどうか?」を調べることで、会社(経営者である自分)を見直すことが大事で、
それをある従業員一人の責任にする経営者であれば、経営者としては失格かと思います。
当然ながら、えん罪はアウトです。
辞めた本当の理由を聞き取れたら、えん罪は起こりません。
そこを無視して、数値だけで見ると確かに危険ですね。
そうならないよう、ちょっと上の文章の表記を変えましょうかね。
ご指摘ありがとうございました。
どちらにしても「自社の問題点を見つけること」が大事でして、
柳澤さんのように聞き取りをするのはGoodです。