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企業ブランド価値を崩壊させる採用の失敗その1~採用活動編

公開日:2023/03/31
最終更新日:2023/03/17
こんにちは。
人事採用コンサルタントの稲田です。

採用に失敗すると、大きく4つの点で会社にマイナスがあります

今日は、採用の失敗による損失の第3回目です。

第1回目「採用で失敗したら会社が傾く理由その1~お金編」と第2回目「採用で失敗したら会社が傾く理由その2~目に見えないもの編」を見ていない場合は、まずはそちらからご覧ください。

今日は「採用の失敗における損失」の3つ目、「採用活動すべて」に関して、ご説明したいと思います。

採用の失敗における損失:採用活動すべて

採用で失敗した場合は、新しく採用した方におこなった採用活動すべてが、無駄と言えます。

ポイントは大きく3つの面です。
  1. お金
  2. 時間
  3. 顧客

採用活動の損失1:お金

まずは「お金」に関してです。

これはもう考えていただければ分かることだと思いますが、選考に費やした費用が、すべて無駄です。

例えば、求人広告にいくら使いましたか?

「いや、ハローワークだから1円も使っていない」という考えがあるかもしれませんが、そういった場合でも時間は使っています。

時間は人件費と同じですから、結局はお金を使っています。

そして、適性試験

試験代は1人当たり大体5,000円とか4,000円。

これくらいの金額がかかるでしょう。

さらに、交通費

面接の際は、WEB面接を導入していたとしても、最終面接ではやはり対面面接をおこなっていると思います。

その場合、面接に応募者を呼びますが、その時の交通費、この金額も採用活動の中に当然、含まれていきます。

採用活動の損失2:時間

費用に関しては、すぐ理解できるとは思いますが、大事なのは「時間」です。

採用するまでに、応募者と何度も「やり取り」をします。

書類選考から始まって、その書類選考の合格連絡をしますし、適性試験の連絡をしたり、面接の連絡をしたり、面接が終わった後も、2次面接の連絡をしたり、その後、最終面接に行くとか、最終的に内定まで行った場合でも、内定後、入社までにも時間かかりますよね?

いろいろとやり取りをします。

必要な書類なども当然あるでしょう。

誓約書を書いてもらうとか、労働契約書のやり取りとかにも「時間」がかかっていきます。

こういった応募者とおこなったやり取りすべてが無駄になります。

さらに、「選考」

例えば、適性試験を社内で実施した場合に、適性試験の時間ずっと試験監督がいたりしますよね。

選考中のこういった時間、書類選考の時間もそうですし、適性試験に使った時間も、すべて無駄になってきます。

そして、「面接」

もうお気づきですよね?

面接官が使った時間が、無駄になります。

面接官の中には、当然ながら経営者も含まれているでしょう。

社内で最も時間単価の高い経営者の時間も使っているんです。

それ以外にも、各部署の部課長クラス、こういった方の時間も使っています。

そういう方々が選考に時間を使っている間は、会社の売上は増えません。

基本的には落ちていきます。

本来、その時間に稼ぐはずだった売上を減らして、面接に臨んでいることを考えてください。

基本的に、面接官は2人以上で見てくださいと推奨していますが、面接官の人数、この2人分の人件費、これも無駄です。

これは、採用に失敗して、社員に退職された場合ですが、これらの時間に関しては、2度と返ってこないだけではありません。

さらにもう1度、新しい人を追加で再募集しますので、その時にこのお金や時間が、再度、同じ金額と時間かかってきます

実際の計算は、下記のような計算式でおこなうといいです。

「募集選考費用」+「面接官の人数」×「時間単価」×「選考時間」
 
実際の「募集選考費用」は、求人広告や適性試験の費用などを足していただければいいです。

「面接官の人数」に「時間単価」をかけて、「選考に使った時間」もかけていきます。

実際に「使った時間」というのは、本来は目に見えませんが、これを目に見える形にするんです。

そうすると、かなりの時間とお金を使って、採用活動をしていることに気づくでしょう。

採用活動の損失3:顧客

「顧客の損失」についても考える必要があります。

もし、採用に失敗して、変な人を採用した結果、例えば、客先でトラブルを起こすとか、接客で対応が悪いといった場合は、お客さんは離れていきます

わかりやすい例でいきましょう。

例えば、飲食店とかで接客業をしている場合、その飲食店のスタッフの対応によって、目の前のお客さんが減るだけではありません。

そのスタッフに嫌な対応をされたから、「もうこの店来ない」というだけではありません。

例えば、飲食店であれば、嫌な思いをしたお客さんは、SNSで情報を発信したり、飲食店の場合、1人で行くようなお店ではなく、複数の人数で行くようなお店であれば、友人にも「あそこには行くな」と広めたりもしますし、嫌な思いをした友人と一緒にその店に来ることはまずなくなります。

これは飲食店に限ったことではありません。

BtoBといった企業間取引であっても同じです。

変な人を採用してしまえば、嫌な思いをする人がいるんです。

それは「お客さん」です。

悪い噂は、基本的に伝達するスピードが速いです。

ですから、「将来の見込み客」も消えていくと思ってください。

「客単価」×「平均リピート回数」×「友人の人数」
 
この損失は、採用に失敗したその人の在職期間ずっと発生します。

損失はどんどん膨らんでいきます。

もし、いい人を採用できた場合、採用に成功した場合でも、面接に使った時間やお金はかかってきます。

この金額は変わりません。

ただし、「顧客」の部分に関しては、いい人を採用できたら、同じ計算方法で、逆に売上はどんどん上がっていきます

ですから、採用の失敗によっておこる損失と、採用の成功によって手に入る利益や価値、これをよく考えて、採用活動をしていく必要があります

採用活動の重要性

第1回目「採用で失敗したら会社が傾く理由その1~お金編」でも話しましたが、給与とかボーナスが採用の損失ではありません。

そのような小さなものではないんです。

こういった視点を必ず持って、採用活動に臨んでください。

この視点を持つかどうかによって、採用は大きく変わっていきます。

「本気でやらなくてはいけない」というのを、理解する必要があります。

適当に採用活動をして、いい人なんか採用できるわけがないんです。

そして、採用に失敗した場合、失う損失はこれだけあるということを、是非考えてください。

最後、4つ目に関しては、また次回ご説明したいと思います。

この内容は、私が運営しているYouTubeチャンネルでもお話ししています。

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