失敗の本質|日本企業の心とそれをアピールする重要性
最終更新日:2016/05/13
グローバル経済、ボーダレス社会は、言葉は理想主義的でもっともらしいのですが、現実には多くの問題をはらんでいます。最後の安倍首相がどうこうの箇所は別にして、この内容はとても共感できます。
たとえば日本メーカーが世界を相手に競争しようとすれば、製造コストをできるだけ引き下げなければ勝てません。コストを下げるためにはまず、人件費、つまり従業員に支払う給与を下げなければなりません。
実際、1990年代ころからは中国の人件費が安いということで、多くの日本メーカーが中国に進出しました。中国人の所得が上がってくると、もっと安い国に移転する企業が現れました。
こうした選択は、日本の国力を考えた場合、本当にベストだったのでしょうか。
それまでは「メイド・イン・ジャパン」で国内の日本人がものづくりをしていました。
人件費がかかって製造コストは高かったかもしれませんが、そのお金は社員や下請けを含めすべて日本人に支払われていました。企業は日本に税金を納め、労働者は高い賃金を得て、その賃金から日本製の高額な製品を買う好循環ができていました。
しかしいまや、労働者の賃金を引き下げたおかげで、企業と外国人投資家を含めた株主は儲かる一方ですが、貧富の差が拡大した結果、最大公約数の生活水準は以前より下がってしまいました。
海外進出した企業のお金は、賃金や投資、税金といったさまざまな形で国外に流出しています。最大の進出先は中国ですから、中国は日本から流出した資金を使って、日本の脅威となる軍備を増強しているわけです。
経済至上主義のグローバル化を追求すると、問題が起こることはたしかです。
だから、国内の雇用、賃金水準を維持している企業には、税制面などの優遇措置を取るべきだと個人的には思います。
たしかに経済のグローバル化は避けられません。だがその一方で、日本では崩れてしまった終身雇用制度も、欧米では逆に取り入れて業績を伸ばしている企業が少なくないといいます。
雇用の安定は社員のモチベーションや頑張りにつながります。
事はそう単純ではないのです。
グローバル化を推進する場合は外交力とセットにすべきでしょう。
日本のお金を落とすことによって、安全保障上の同盟関係がより強固になるような国と手を結ぶべきです。
ベトナムやタイなどを、両者繁栄のビジネス・外交パートナーに選べばいいのです。それだけの政治のリーダーシップを発揮できる人は、安倍首相しかいないと思います。
そのためにも、安倍首相には長期政権を築いてもらいたいと願っています。
PHP研究所
弊社も色々なクライアントと付き合ってきましたが、「この会社の製品が広まれば日本のためになる」と感じるといつも以上に気合いが入ります。
私が大学や人事院を含む公的機関などから依頼を受けた場合、「国のために私のチカラが役に立てば」という想いで、利益度外視で仕事をします。
安易にCHINAなどの海外に労働力や市場を求めれば、 を負う事になり、経営危機にすらなりかねません。
そして、「メイドインジャパン」を作り出せる企業が減っていくことになります。
「コストを安くするために人件費を海外に」というのは、誰でも思いつくことですし、ある程度の支出をすれば実現します。
しかし、中長期的視野でみると、それは国のためでもないですし、結局は会社のためにもなりません。
日本を愛する会社が、それを求人でアピールすることで、「日本のためにも働きたい」と思う求職者から応募もあります。
「メイドインジャパン」ぜひ考えてみてください。